産婦人科医の「腟ヒアルロン酸」セミナーに潜入! 感度が高まるって本当? 女性への実技も見学してきた

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コクハク

 目元のシワやほうれい線、眼頭下から頬中央まで斜め下方に表れるゴルゴラインなどを目立たなくさせる方法して、主流の美容整形施術のひとつになっているヒアルロン酸注入法。

 豊胸などに用いられることもありますが、最近では腟ヒアルロン酸(以下、腟ヒアル)注入も注目されつつあるようです。

 今回は産婦人科医として周産期患者を診るだけでなく婦人科美容医としても活動する宮本亜希子先生による、腟ヒアル注入セミナーに密着してきました。

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「膣ヒアルロン酸」は性行為の他、尿漏れにも効果が

 宮本先生は勤務医として産婦人科や婦人科美容に勤めながら「生涯、女性が性を大切に愛し、楽しめるように」と女性ならではのトラブルや悩み、アンチエイジングなどを解消するための施術を行なっています。

 そんな中で、加齢や出産などにより尿漏れや締まりに悩みを抱く方や、性行為をより楽しむための感度や潤いを改善するための施術を医療関係者に教えています。

 今回は産婦人科医の中川百合子先生と長沼佳世先生も参加するなか、咲江レディスクリニックを開設する丹羽咲江院長のクリニックで、あっこ式腟ヒアル注入のセミナーが行われました。

 最初の1時間は、宮本先生作成のパワーポイント資料を参照しながら「なぜ膣ヒアルを行うのか?」「施術後、女性にはどんな変化があったか?」などをこれまでの症例をもとに説明。

 腟ヒアルを注入した女性は「彼氏に緩いと言われ自信を失っていたけど、腟ヒアルをしてからはきついと言われることが増え自信がつきモテるようになった」という20代女性や「性交痛があったけど、腟ヒアルを注入してから潤うようになり、痛みが解消された」という30代女性もいたようです。

女性医師が実際に注入を体験

 座学の後は、宮本先生指導のもと施術を行う実技時間となりました。注入するヒアルロン酸は「ニューラミス」という韓国製の最高品質のもので、顔のほうれい線や目元のシワ解消の際にも使用されるものだそうです。

 実際に注入される中川先生は怖がりで痛がりなようで、腟に麻酔の注射を打つ際は「痛くないかしら…」と不安げな表情を浮かべるも、丹羽先生の「チクッとしますよー」という声かけで「思ったほど痛くない!」と安堵していました。

 その後、腟を広げるクスコを使って腟内にヒアルロン酸を注入しやすいような状態にし、腟の上部と下部あたりの数カ所にヒアルロン酸を注入していきます。

術後のダウンタイムはどの程度?

 術後のダウンタイムはどんなものなのかというと…? 

 これに対して宮本先生は「術後当日は湯船に入るのは禁止ですが、翌日はOK。また、術後1週間ほどは性行為禁止です」とのこと。中川先生が「明日の朝、ジムに行って大丈夫かしら?」と聞くと、宮本先生は「あまり激しい動きをしなければ大丈夫ですよ」と返答。

 このように腟ヒアルは、行動制限はあれど、顔などの施術よりバレにくいという点もメリットの一つなのかも、とも感じました。

 また、セミナーでは腟ヒアルを施した女性と性行為をした男性側の意見も紹介されました。

 男性からは「キツかった」「いつもより早くイってしまった」などのほか「彼女の感度が腟ヒアルによってか以前よりも良くなっていて、その様子を見て自分もより興奮した」という感想が寄せられていました。

注入すると感度が高まる理由は

 でも、そもそもなぜ腟ヒアルを施すと感度が高まるのでしょうか。宮本先生によれば「腟ヒアルを打つ大きな目的のひとつは感度の向上です。Gスポットがある腟壁にヒアルロン酸を打つことでGスポットの表面積が広がり当たりやすくなる」のだそう。

 また、腟ヒアルにより潤いが増す、濡れやすくなるという効果もありますが、これは「保湿効果の高いヒアルを打つことで腟壁の水分を保持し、乾燥を改善するからです。そのため乾燥による不快な腟の痒みや炎症が軽減されたという女性からの声も寄せられています」とのこと。

 セミナーを受けた先生方に話を聞くと、丹羽先生は「私のクリニックには60代、70代になっても性行為を楽しむ方はいます。でもその年齢で楽しもうとなるとホルモン補充や腟のなんらかのケアが必要不可欠です。

 でも、そのケアさえ施せば生涯楽しめるのが女性のセックスです。私は女性に生涯セックスを楽しんでほしいから、腟ヒアル注入術は近日中にクリニックで始めようと思います」と意気込みました。

女性の笑顔のために悩みを解消したい

 そして中川先生も「クリニックがリニューアルオープンを控えているので、まずは技術を取得し、なるべく早いタイミングで取り入れたいですね」と笑います。

 さらに長沼先生は「私は北陸でクリニックを開院予定です。北陸地方には腟のケアやアンチエイジなどはまだあまり浸透していません。どのエリアにも女性ならではのトラブルを抱えている方はいらっしゃいます。

 女性が心から笑顔でいられるには婦人科系のトラブルが解消されることが必要ではないかと思っています。当院でもクリニックでも腟ヒアルをはじめたいと思います」とのことでした。

 美容整形をして容姿に自信が持てるようになり気持ち的にもポジティブになれたという方の意見はよく聞きますが、腟ヒアル注入を施した女性の中にも「自分の膣に価値を感じ、自分自身を大事にするようになりました。腟ヒアルを受けてからは誰とでもしてしまうのを止めるようになった」などと言う方もいるよう。まさか腟ヒアルにより自尊感情をも育めるとは驚きです。

 宮本先生は言います。「顔や胸などあらゆる整形をした後に、腟ヒアルに挑戦する女性もいらっしゃいますが、逆に美容整形はこれがはじめて、という方もいます。腟ヒアルの場合は美容整形というよりも女性特有の健康課題をテクノロジーで解決するフェムテックの一種だとも思っています」

 腟は体の中心部。顔ばかりに目を向けず、外からは見えないけれども体の中心部である膣をも大事にすることが、自分を大切にすることにも通じるのかもしれませんね。

(河合桃子/ライター、ジャーナリスト)

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