「妻の入れ知恵で娘の態度がおかしい…」コロナ罹患→家庭内で孤立する48歳男性【冷酷と激情のあいだ~男性編~】
妻の話を鵜呑みにしないで!
「冷酷と激情のあいだvol.211〜女性編〜」では、コロナ禍を経て夫への愛情が戻らずに悩む結婚8年目の春奈さん(44歳・仮名)の戸惑いをお届けしました。
持病を抱える娘のために、絶対に感染症を家に持ち込みたくない春奈さんから見れば、好き勝手に行動する夫は危機管理能力がないように映ります。夫のエイタさん(48歳・仮名)は、夫婦関係をどう捉えているのでしょうか。
【冷酷と激情のあいだ~男性編~】
「あのですね〜…、ウチの妻の言う話は、ちょっと大袈裟っていうか、物事を悲観的に強調して話すっていうか…。とにかく、鵜呑みにしないほうがいいですよ」
神妙な顔でこう打ち明けるエイタさんは、小刻みにため息をつきながら、妻への不満を口にし始めます。
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気を付けろと言われても限界がある
「我が家はコロナ禍をきっかけに、夫婦仲が急激に悪化しました。その理由がイマイチ釈然としないんですよね。
妻は僕がコロナにかかったことが許せなかったみたいで、今でもその話をネチネチと出してきます。
ですが、僕からすれば『あれだけ流行っていたんだから、かかっても仕方ないだろ』って感じ。
まぁ我が家には持病のある娘がいるので、妻が言いたいこともわからなくはないですけどね。目に見えないウイルス相手に、気を付けるって言っても限界があるじゃないですか」
娘にも冷たくされて
自分のコロナ感染をきっかけに、夫婦仲が目に見えて冷めていっただけでなく、娘との関係も変わってしまったと嘆くエイタさん。
「娘が僕によそよそしくなったのは、妻が僕の悪口を吹き込んでいるんだと思う」と不信感を口にします。
「娘にも距離を置かれちゃって、正直なところ、家に帰っても虚しいだけ。
せっかくコロナ禍が終わったのに、妻はいまだに『家にコロナを持ち込むな』とか『風邪だってひいてほしくないんだから、用心してほしい』とか無理難題を僕に押し付けてきます。
ウチの妻はネットとかテレビの情報をすぐに信じちゃうんです。
ネットやテレビは、悲観的な部分を強調しているから、必ずしも万人に当てはまるとは言えませんよね。
それなのに、真に受けて、用心しすぎるところがあるんですよ」
離婚でもいいのかな
エイタさんは、途中からウンザリした表情に変わりながら、家庭への不満を口にし続けます。
「結婚8年って、こんな感じがフツーですかね?
それとも我が家が異常ですかね?
毎日家に帰るのが憂鬱だし、妻とまた仲良くなれる気もしない。このままでいいのかなぁって考えちゃいますよね。
喧嘩すると疲れるから、僕から妻に何かを言うことはありません。とはいえ、このまま家族を続けていくのも虚しいし。
娘がこのまま僕と距離を置くんだったら、もう離婚でもいいのかなと思います。
実は僕…、妻に対しては、もう気持ちはとっくに冷めているので、あとは娘次第かなって。娘から僕と暮らすのが嫌だって言ってくれたら、離婚したほうがみんなにとっても、幸せなのかなって思うんですよね…」
◇ ◇ ◇
恋人同士であれ、夫婦であれ100%同じ価値観を有する男女は稀です。ましてや交際前の男女となれば、なおのことです。少しのすれ違いが、大きな溝に発展することも少なくないのが異性間における現実でしょう。
まさにこれこそが、男女関係における醍醐味にもなれば致命傷にもなる“冷酷と激情”のはざまなのかもしれません。
(並木まき/ライター・エディター)