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姫田小夏ジャーナリスト

中国・アジアを身近に捉える取材に取り組む。中国ウオッチは25年超、中国滞在経験も長い。アジア・ビズ・フォーラム主宰。日刊ゲンダイでの連載などをもとに「ポストコロナと中国の世界観 」(集広舎)。

飛騨高山は「舞台あれど役者おらず」…朝市の出店者は歯抜け、地元の祭り継続も手探り状態

公開日: 更新日:

 インバウンドでますます活気づく地域がある一方で、表面上の賑わいとは裏腹に、地元民の豊かさにつながっていないという現実がある。地方の町や村では以前から後継者不足が潜在していたが、インバウンドで人手不足が加速した。新型コロナ禍を経て体力のない地元事業者の寿命は縮まり、廃業跡地は外からの資本の草刈り場となっていく。地方観光地インバウンドの最前線を、「飛騨高山」で知られる岐阜県高山市から4回連載でリポートする。

 コロナ禍が明けた高山市は今、観光産業回復の一途にある。2023年には45万人の外国人が市内に宿泊し、19年に記録した61万人の約7割にまで回復した。「昨年の9月から急速に訪日客が増えています」と観光事業者も期待を口にするが、その高山市はコロナ前と何かが違う。

 筆者はコロナの前・中・後と、複数回にわたり飛騨高山を訪れている。大きな変化は「日本三大朝市」に数えられる宮川朝市だ。今回は6月の土曜日午前に訪れたが、出店者は歯抜け状態だった。コロナ前は路上に隙間なく出店者が並び、道も人で埋め尽くされていたものだった。

 6月は例年客数が落ちるというが、近隣在住の主婦は「出店者もみんな年を取ってしまった。後継者もいないし」と話していた。

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