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和田秀樹精神科医

1960年6月、大阪府出身。85年に東京大学医学部を卒業。精神科医。東大病院精神神経科助手、米カール・メニンガー精神医学校国際フェローを経て、現在、和田秀樹こころと体のクリニック院長。著書多数。「80歳の壁」(幻冬舎、税込み990円)は現在、50万部のベストセラーに。最新刊「70歳の正解」(同)も好評発売中。

血糖値の下げ過ぎは早死にする…高齢者には過度の糖質制限は禁物

公開日: 更新日:

 厳格な血糖コントロールがよくないことを実証した研究もあります。米国では、厳格な血糖コントロールを行うグループと標準的な血糖コントロールを行うグループに分けて比較する研究がありました。厳格グループは、過去2カ月の平均的な血糖状態を示すHbA1cを6.0%未満、標準グループは同7.0~7.9%を目標としました。

 すると、厳格なグループでは、治療の副作用である重度の低血糖の割合が標準グループの3倍。さらに脳卒中心筋梗塞による死亡率も高く、試験は中止されたのです。過度な血糖コントロールがよくないことが見て取れるでしょう。

 この研究は薬とインスリンを使用した臨床試験ですが、糖質制限を続けていると同じように低血糖の副作用が生じます。その症状は、頭がくらくらしたり、めまいで体がふらついたりするほか、体の力が抜けるように感じたり、意識が朦朧として運転に危険が生じることもあります。動悸を訴える方もいます。これらが低血糖の症状で、さらに低血糖が進むと、命を落とすこともありますから、低血糖を軽視するのは禁物です。

 怖い低血糖を避けるには、主菜と副菜のほか茶碗1杯分くらいの米はとるべきでしょう。もちろん糖質に偏った食事はよくありませんが、昔ながらのごくごく当たり前の食事が、高齢者の健康には欠かせないのです。

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