悪名高き日本の「人質司法」…弁護士の筆者が直面し、痛感したこと
僕が受けている刑事事件の保釈が、逮捕から4カ月弱を経て先週やっと認められました。
この案件の保釈請求をする中で、反省しなければならないことがあると痛感しました。
それは「事件を一部でも否認している人が簡単に保釈されないのは仕方がない」という法律上誤った認識になってしまっていることです。正確には「それが現実」と諦めてしまっているという点でした。弁護士として諦めてはいけないと思います。
ある業界に入ると、その業界の常識にとらわれてしまい、本来のあるべき姿、一般常識、そういったものからどんどん感覚がずれていってしまうということがあると思います。今回の保釈の件がまさにそうだったのかもしれません。そもそも罪を犯したからといっても、逮捕勾留されるのは、その人が逃亡や証拠隠滅をする恐れがある場合に限ります。そして証拠隠滅する可能性などというものは、一般論でいえば、どんな自白事件にでさえあり得るものですので、それが完全になくなることなどあり得ません。
そのため、保釈が認められないのは、証拠隠滅の可能性があることが具体的に裏付けられる事情がなければなりません。