狙われる独居高齢者…高騰する貴金属の出張買い取りでトラブル急増 相談の8割が60歳以上
「不用品の査定をしてもらおうと家に買い取り業者を呼びましたが、木工小物や食器類とかは値段がつかないと言われ、指輪などの貴金属や未開封のお酒はあらかた持っていかれました。でも後日、市価よりだいぶ安く買い取られていたことがわかり、非常にショックでした」(70代女性)
今や終活が一大テーマとなる中、買い取り業者は出張買い取りを強化し、業績を伸ばしている。中でも人気なのが、この5年で2倍程度まで価格が高騰し、かさばらない金銀などの貴金属だ。
チラシなどで広告宣伝が活発化する出張買い取りだが、国民生活センターによると、全国の消費生活センターに寄せられている訪問による物品の買い取りに関する相談は、2019年度の5220件から2022年度は7722件と約1.5倍に膨らみ、増加傾向にある。
「相談のうち8割近くを60歳以上が占めており、業者の中にはしつこく家に上がろうとしたり、売るつもりがなかったものを強引に買い取ったりと後からトラブルになったものも少なくありません。高級住宅街で1人暮らしの高齢女性宅を狙い撃ちして、スーツを着た査定員が営業をかける業者までいるといいます」(経済ジャーナリスト)