ホラー小説「近畿地方のある場所について」が大人気 今の日本人にモキュメンタリーがハマった理由
8月末発売のモキュメンタリー小説「近畿地方のある場所について」(背筋著=KADOKAWA)が話題だ。今年1~4月に小説投稿サイト「カクヨム」に投稿され、ネット上で《怖すぎる》と評判になり、ホラージャンルでは異例の1400万PVを獲得。書籍化されると「発売から1週間で重版」(KADOKAWA担当者)という人気ぶりなのである。
主人公はオカルト雑誌のライター。いくつかの怪談と近畿地方のある場所が関係していると見立て、友人と調査を進めるが、友人は現地へ行くと言い残して失踪し……。
ちなみにモキュメンタリーとは疑似を意味する「モック」と「ドキュメンタリー」の合成語で、フィクションをドキュメンタリーのように見せかける手法のことだ。
「80年代に一世を風靡した『川口浩探検シリーズ』もモキュメンタリーと言えるかもしれません。嘘と知りながら、心のどこかで《もしや》と信じたい自分もいて……。日本人は昔から、虚実ないまぜのモキュメンタリーが大好きなんです」(エンタメ誌編集者)