画期的アルツハイマー病新薬「レカネマブ」年内にも実用化…普及には3つの高いハードルが
認知症治療の歴史に新たなページが開かれた。厚労省は25日、製薬大手エーザイと米バイオジェンが共同開発したアルツハイマー病新薬「レカネマブ(商品名レケンビ)」の製造販売を承認。年内にも保険適用され、実用化の見通しだ。
患者の脳内に蓄積して神経細胞を傷つけるとされる病の原因物質「アミロイドβ」を除去する抗体薬で、2週間に1回、点滴で投与する。これまでは進行を和らげる薬しかなかったが、初めて病の原因物質に効き目があり、認知機能の低下を抑えられる薬の実用化である。効果も持続的で、そこが「画期的」と呼ばれるゆえんだ。
ただし、対象はアミロイドβが脳内に蓄積した軽度認知障害(MCI)と、その前段階の軽い認知症の患者のみ。アルツハイマー病の患者全てに門戸を開いているわけではない。普及にも高いハードルが待ち構える。
まず薬価だ。先立って承認された米国の標準的な価格は年2万6500ドル(約390万円)。これから決める日本でも高額が予想される。高額療養費制度により個人負担を抑えても、100万円台になる見込みだ。