高齢者を待ち受けるのは死ぬまで働く“労働無間地獄”…経済ジャーナリスト荻原博子さんも警鐘
〈はたらけどはたらけど猶わが生活楽にならざりぢっと手を見る〉──。窮乏のうちに夭折した詩人・石川啄木の切ない短歌に共感する高齢者も多いのではないか。
総務省は17日、「敬老の日」(9月18日)にあわせ、高齢者の人口や就業状況などに関する統計を発表。昨年の65歳以上の就業者数は21年より3万人増の912万人に上り、1968年以降で過去最多を更新した。
統計によれば、昨年の15歳以上の就業者総数に占める高齢就業者の割合は13.6%で過去最高。就業者のうち約7人に1人が高齢就業者だ。
高齢者の就業率はG7各国と比較して断トツに高い。内閣府の〈高齢社会白書〉(2023年版)によれば、60歳以上のうち「65歳を超えても働きたい人」は約6割に上る。一方、65歳以上のうち31.2%が家計不安を抱え、10年前に比べて約3ポイント上昇している。
高齢者の就業率が上がっている背景には、高齢者の就業環境が整備され、働きたい元気な高齢者が就業しやすくなった側面もあるが、一方で「働かざるを得ない高齢者」も多い。経済ジャーナリストの荻原博子氏がこう言う。