世界的に見ても“異常”! 問題だらけの入管難民法改正案を「廃案」にするしかない理由
外国人の収容・送還ルールを見直す「入管難民法改正案」について、参院法務委員会は8日、自民、公明両党と日本維新の会、国民民主党の賛成多数で可決。与党は9日の本会議で成立させる方針だ。
改正案は、難民認定手続き中は強制送還を停止するとの現行規定に「例外」を設け、3回目以降の申請者は送還可能にすることを柱としているが、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)は送還停止規定を変えること対し、「難民条約で送還が禁止される国へ送還する可能性を高め、望ましくない」と指摘しているほか、国連人権理事会の特別報告者と恣意的拘禁作業部会も「3回以上の難民申請者の送還は、生命や権利を脅かす高いリスクの可能性がある」として、「改正案は国際的な人権基準を満たさない」とする書簡を日本政府に送っている。
つまり、世界的に見ても今回の入管法改正案は“異常”とも言えるのだが、それでも政府、与党は押し切るつもりだ。
今回の改正法審議をめぐっては、難民と認められなかった外国人の不服申し立て審査を担う「難民審査参与員」の問題も露呈。特定の参与員が2021~22年、年間審査総数の約2割余りに上る1200件以上を担当するなど、不可解で異様な偏りが発覚。立憲や共産から「偏った審査」「審査の公平性に問題がある」と猛反発する事態となった。