資産ガッポリの金持ちほど「少子化対策」の負担が軽く…政府肝いり「支援金制度」の正体
裕福な高齢者ほど負担から逃れられるなんて不公平の極みだ。岸田首相肝いりの「次元の異なる少子化対策」について、政府は年間3.5兆円規模のバラマキ策を示す一方で、財源の具体的な議論は年末まで先送り。水面下では、社会保険料を月額500円ほど一律に上乗せして巻き上げるプランを検討している。
75歳以上の人が加入する健康保険「後期高齢者医療制度」の保険料まで徴取の網にかけて「支援金制度」を創設。「支援」をうたい、さも豊かなお年寄りが孫たちを助けるようなイメージづくりに躍起だが、この制度の本質は「本当に豊かな高齢者が分相応の小遣いを孫世代に払わなくて済む」ということに尽きる。
なぜなら後期高齢者制度に限らず、健康保険料は「課税所得」に基づいて算出されるが、保有資産から生じる所得は計算に含まれないためだ。これは申告分離課税に伴う措置。つまり、不動産や金融資産を豊富に持つ本当の金持ちほど、実際の実入りに比べて、負担する保険料は安く収まっているのだ。
ただでさえ、この優遇措置の恩恵を受ける富裕層にすれば一律500円の負担増など屁でもない。逆に生活費を年金に頼る高齢者ほど、負担増が重くのしかかってくる。