東京「葛西臨海水族園」樹木切り倒し 幻の“プランB”採用なら「1400本」伐採は避けられた!
内部資料を独自入手
「エコ」の看板は捨てるべきだ。日刊ゲンダイが2023年2月、東京・江戸川区の都立葛西臨海公園内の「葛西臨海水族園」の建て替えに伴い、約1400本の樹木が伐採される問題を報じると、小池都知事に対し「自然破壊だ」と批判が噴出。「エコ」を売りにする小池知事の矛盾が浮き彫りになったが、日刊ゲンダイが独自入手した資料から、また新たな問題が発覚した。小池知事は、環境に配慮した建て替え案を却下した上で、現行計画を採用。却下した幻の“プランB”を選んでいれば、大量の樹木伐採は避けられた可能性があるのだ。
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都は「葛西臨海水族園」の建て替え事業計画について、民間業者に建設を任せるPFI方式を採用し、昨年1月に公募を開始。8月に複数業者からなる「INOCHIグループ」を選定した。当時、同グループとは別に複数業者で構成される「TOKYO Aqua-Life(TAL)グループ」も公募に参加したが、事業者には選ばれなかった。
日刊ゲンダイが入手したのは、不採用だったTAL案の概要を示す資料だ。
資料には〈基本的な考え方〉の一つとして〈既存樹への影響を最小限に抑える〉と掲げられている。〈樹木の伐採と建物の解体を最小限に抑える配置計画とする〉〈新築工事によるCO2の排出を抑え、SDGsの達成に寄与〉〈スクラップ&ビルドの価値観からの転換を表明する計画〉とも記されている。資料に掲載された完成イメージ図は、確かに現行計画より多くの樹木が生かされているように見える。