岸田長男の“ボーナス返上”ポーズに振り回される現場官僚 手続きは「勉強しながら検討」と困惑しきり
〈息子の公邸パーティーが岸田首相を苦境に陥れた〉──。米タイム誌(5月30日付)に、こんな見出しが躍った。やり玉に挙げられているのは、首相公邸での大ハシャギ写真を週刊誌にすっぱ抜かれた岸田翔太郎首相秘書官。“けじめ”辞任は1日付だが、バカ息子が「退職金・ボーナスなどの手当返上」の意向を示したことで、現場は困惑しきりのようで……。
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岸田首相長男の更迭には海外メディアも大注目。米タイム誌だけでなく、英ガーディアン紙や仏ニュース専門局BFMTV、シンガポール大手紙ストレーツ・タイムズなどが、こぞって翔太郎氏の交代劇を報じた。
米タイム誌は「このスキャンダルは日本の政治で長らく続く縁故主義の問題」と指摘。アジア研究者であるテンプル大のジェフ・キングストン教授のコメントとして、「手に負えない息子」「彼の父(岸田首相)は息子の政治キャリアに箔をつけようとしたが、いまとなっては水泡に帰したようだ」──との辛口評を紹介した。
岸田親子が世界中に“恥”をさらす中、今度は翔太郎氏の「ボーナス返上」をめぐり、新たな問題が浮上している。
首相秘書官は特別職の国家公務員。法律により、期末手当などのボーナス支給が定められている。内閣官房内閣総務官室によれば、6月と12月の年2回のボーナスは1回につき月額給与2.2カ月分が支払われる。翔太郎氏の給与は月58万6200円。今月30日には約129万円のボーナスが支給される計算だ。
「岸田首相が翔太郎氏の更迭を発表した先月29日、『6月1日付辞任』が注目を集めました。国家公務員のボーナス支給基準日だからです。ネット上は〈ボーナス目当てで辞任日を設定したのか〉〈せこすぎる〉などと大炎上。即座に官邸が火消しに走り、松野官房長官が30日の会見で『本人(翔太郎)から、手当が支給されるのであればすべて返納したいとの申し出がされている』と発表するに至りました。ただ、問題は、意向通りに返納できるかどうかです」(官邸関係者)
懲戒処分に伴う減給なら、いざ知らず、法律に定められている以上、支給を「辞退する」ことはできない。いったん受け取ってから、「自主返納」という形で、国に寄付するなどの意向を示した申立書を提出。納入告知書に基づいて相当額を振り込まなければならない。