ウクライナ復興の巨額費用財源は「増税」か…日本が払わされるゼレンスキー来日の“対価”
ウクライナのゼレンスキー大統領の“電撃訪問”が奏功したのか、岸田内閣の支持率が急上昇している。毎日新聞の最新の世論調査(20、21日実施)によれば、支持率は前回調査(4月15、16日)より9ポイント増の45%だ。しかし、日本国民はゼレンスキー大統領来日の“対価”を払わされる可能性が高い。ウクライナ復興にかかる巨額費用を負担せざるを得なくなりそうだからだ。
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「一番期待しているのは、やはり技術です」──。岸田首相との首脳会談を終えたゼレンスキー大統領は21日夜の会見で、ウクライナの復興支援に関して日本からの支援の必要性を強調した。
ゼレンスキー大統領が念頭に置いたのは、原爆を落とされた広島と、ウクライナの惨状の類似。「ウクライナの街並みも早く再建できることを夢見ている」と訴えかけ、エネルギー分野や鉄道開発、医療分野などにおける日本の技術協力に期待感をにじませた。
ウクライナの戦後復興を後押しするのは当然としても、問題は復興にかかる巨額費用だ。ゼレンスキー大統領はサミットという国際舞台で日本の支援の必要性を繰り返し、日本からの武器支援に関しては「法律的、憲法的な制約を十分に理解している」との姿勢を見せた。日本が何を出せるか、よく分かっている、ということだ。
■オールジャパンで戦後復興後押し
岸田首相も呼応するように、サミット期間中の日ウ首脳会談でゼレンスキー大統領に「日本の官民をあげてウクライナの復旧・復興を力強く後押ししたい」などと表明。今月15日に行われた「ウクライナ経済復興推進準備会議」(第1回会合)では、こうハッパをかけた。
「地雷除去から始まり、道路・橋・鉄道・送電・通信などのインフラ復興、ウクライナの地の利や競争優位をいかした産業復興など、官民が連携して、日本の金融力もいかして、ウクライナ復興に貢献していきたい」
できることは何でも復興に貢献しようと、オールジャパン体制で臨む決意だが、ウクライナの被害はインフラだけで総額約20兆円に上る。世界銀行などは復興費用を約56兆円と試算している。