「妖怪の孫」原案者が語る統一地方選、衆参補選の争点 問われているのは安倍支配からの脱却
統一地方選、衆参補選の真っただ中だが、今度の選挙の争点を岸田政権はひた隠しにしている。政権の中間選挙と位置付けられる統一地方選の争点は言うまでもなく、軍拡に突き進み、原発再稼働にカジ切りし、少子化の失政を庶民の負担増で尻拭いさせようとしている岸田政権への評価である。
大ヒットしている映画「妖怪の孫」の原案者で、「分断と凋落の日本」(日刊現代発行、講談社発売)を上梓した元官僚の古賀茂明氏は、こうした岸田暴政の裏に「妖怪」がいるという。安倍政権の亡霊である。集団的自衛権を行使できるようにした安倍政権は「戦争できる国」にレールを敷いた。「そのレールの上を岸田さんは走っているだけ」(古賀茂明氏)なのである。
例えば、岸田首相は防衛費をGDP1%から2%に倍増させることを決めてしまった。トマホークを爆買いし、先制攻撃ができる武器を備え、その費用の一部を増税で負担させようとしている。「ハト派の宏池会出身の首相がそこまでやるか」と驚かれたが、この防衛費倍増は安倍政権からの積み重ねだ。
「安倍さんは2017年3月2日の参院予算委員会で『(防衛費を)国内総生産(GDP)の1%に抑える考えは?ない』と明言しています。そして、実際、右肩上がりで防衛費を増やしてきたのです。防衛費の正確な数字は予算額ではわかりません。年度途中の補正予算があるからです。最終的な決算額でみてみると、第2次安倍政権が誕生した2012年度以降の決算額は第一次安倍政権では超えることがなかった5兆円の壁を突破し、2021年度には6兆円を超えている。22年、23年の決算額はこれから確定しますが、大幅アップの傾向が続いているのは確実でしょう。ここには“後年度負担”と呼ばれる兵器ローンも組み込まれています。安倍政権時代の武器爆買いの付けは後年度負担として残っていく。ちなみに岸田政権で初めて作成された骨太の方針では当初、“防衛力を抜本的に強化する”とだけ書かれていた。それが“5年以内にGDPの2%まで増やす”と表現が変わった。これは安倍氏から強い要求だったと新聞各紙が報じています」(古賀茂明氏)