2023年の食品値上げは約2万品目 価格転嫁はこれから…その後に「賃上げ転嫁」がやってくる
値上げラッシュはいつまで続くのか──。東京商工リサーチ(TSR)が主要食品メーカー200社を対象に実施した「価格改定・値上げ調査」(3月24日公表分まで)によると、2023年出荷分の食品値上げは1万8331品目と2万品目に迫る勢いだ。
新年度が始まる4月は5075品目が予定され、2月の5470品目に次ぐ多さだ。TSRは、コロナ後の経済活動再開を受け、国際的な原材料不足による価格転嫁はこれから本番を迎える可能性があるとみており、収束は見通せない。
多くの企業は原材料、物流費、エネルギー価格の上昇を理由に挙げているが、今後は新たな要因が加わりそうだ。賃上げである。
「今春闘で大手企業は高水準の賃上げを実施しましたが、今回の当社の調査では、人件費の上昇を要因とした値上げ表明は200社中わずか25社にとどまりました。しかし、賃金を大幅に引き上げた大企業は来月から巨額の人件費負担がのしかかり、いずれ賃上げ分を自社製品やサービス価格に転嫁する動きが出てきてもおかしくありません。積極的な賃上げはメディアでも大きく取り上げられ、誰もが知っています。賃上げを理由とした値上げは納得してもらいやすいかもしれません」(TSR情報本部・二木章吉氏)