自転車ヘルメット着用“努力義務化”で切実に…知っておきたい「選び方」と「正しいかぶり方」
自転車を利用する人にとっては気になるニュースだろう。4月から自転車に乗るときは、ヘルメットの着用が努力義務になることだ。街中で自転車を見かけてもヘルメットをかぶっている人は少ない気がするが、さてどうしよう?
◇ ◇ ◇
道路交通法第63条は、13歳未満の子供について自転車乗車時にヘルメットの着用を努力義務としている。それが改正されて4月1日からは、自転車に乗るすべての人でヘルメット着用が努力義務になる。
au損保は、全国の自転車利用者1万6635人を対象に自転車利用時のヘルメットに関する調査を実施。ヘルメット着用の努力義務がすべての人に拡大されたことを知っているか尋ねたところ、「知っていた」は53.2%。半数近くの人が道交法の改正を知らなかった。
その認知度の低さを象徴したのが、自転車利用時のヘルメットの着用状況。「いつも」と「ときどき」を合わせても、わずか10.4%。ほとんどの人が着用しない理由は「必要性を感じない」が34.3%で最多。「着用している人が少ない」が27.8%で続く(複数回答)。周りも多くがヘルメットなしで、安全運転に気をつければ大丈夫。そんな利用者の気持ちがうかがえる。
■着用の有無で致死率は3倍の差
しかし警察庁によると、自転車が関係する事故は2021年に全国で6万9694件発生。すべての事故に占める自転車関連事故の割合は22.8%で、年々増加傾向にある。死亡者は21年までの5年間に2145人。このうち6割は頭部損傷が致命傷だった。
ヘルメットの有無で致死率を比較すると、着用していないときは、着用時の3倍近い0.68%に上る。「まあ、大丈夫」という軽い気持ちが“悲劇”を生むのだ。
JAFは人形を使って自転車で転倒したときに頭部にかかる衝撃を調べる実験を行っている。それによると、ヘルメットをしていないときの衝撃は、着用時の17倍だったという。これは自転車単独での転倒だから、車との衝突ではね飛ばされたりすると、頭部への衝撃はより大きくなるはずだ。
そこでau損保の調査に戻って、着用しない理由の3番目以下を振り返ってみたい。「蒸れたり熱がこもるのが不快」(19.7%)、「おしゃれじゃない」(8.3%)など快適性やファッション性を気にする声や、「どんなヘルメットを着用すればいいか分からない」(11.8%)、「ヘルメットの正しい着用方法が分からない」(2.9%)など知識の欠如を挙げる声もある。
これらの人たちはヘルメットの選び方や正しいかぶり方が分かれば、ヘルメットを着用する可能性が高いはず。では、どう選ぶか。スポーツサイクル専門店Y'sRoad新橋店の田渕喬介店長に聞いた。