「垂直跳び」「バンザイ抱っこ」がよくない 犬の椎間板ヘルニアは胴長じゃなくても発症する
今回は、椎間板ヘルニアについて説明します。ワンちゃんに多く、年齢を問わず発症するので、飼い主さんもご存じでしょう。その対応や、打撲や捻挫による腰痛などとの違いについてです。
椎間板は、背骨を構成する椎体と椎体の間にあるクッションで、その中心を脊髄という神経の束が枝分かれしながら脚や臓器に連なっています。その椎間板がズレて、脊髄を圧迫した状態が椎間板ヘルニアです。患部の痛みのほか、後ろ脚の脱力、起立不能などがよくある症状で、排尿も一時的にマヒすることがあります。
尻尾を振りながら飼い主さんに向かって垂直跳びを繰り返す姿を見たことがあるでしょう。可愛いしぐさですが、こと椎間板ヘルニアにはよくありません。ワンちゃんの脊椎は水平に連なっているため、垂直方向の運動は脊椎に過度な負担をかけてヘルニアを助長するのです。
ジャンプ以外の原因で多いのは、駆け足をしようとして踏み込みに失敗したとき、階段を何段も飛ばして駆け下りたときです。前脚の下をかかえてバンザイ状態で垂直方向に抱っこするのもよくありません。抱っこするなら、首の下とお尻の下から腕を入れて水平方向に、が鉄則です。