岸田首相キーウ手土産「必勝しゃもじ」の能天気…広島訪問オバマ氏持参「折り鶴」とは大違い
「必勝しゃもじ」がかつてない逆風にさらされている。岸田首相がウクライナの首都キーウでゼレンスキー大統領に直接会った際、地元・広島の名産品として贈呈したからだ。1年以上もロシアの侵略にさらされる戦時大統領に必勝グッズを贈る見識のなさ。物見遊山気分だったのはバレバレ、非難を浴びて当然だ。
「外交の慣例として地元名産のお土産をよく持っていく」「ウクライナの方々は祖国や自由を守るために戦っている。こうした努力に対して、我々は敬意を表したい」──。24日の参院予算委員会で、岸田首相は「必勝しゃもじ」の贈呈についてこう釈明し、理解を求めた。野党議員から「戦闘は選挙やスポーツ競技ではない」「不適切ではないか」などと追及されてもピンとこない様子で、必勝祈願の趣旨については「私から申し上げることは控える」とゴマカした。
平時の外遊ならまだしも、侵略されている戦争当事国に「必勝しゃもじ」を贈る能天気ぶりに、ツイッター上は〈理解に苦しむ〉〈感覚が異常〉などと大荒れ。きのうはツイッター上で「必勝しゃもじ」が一時、トレンド入りした。
岸田首相が贈呈したしゃもじは50センチ大で、「必勝」の文字と共に「岸田文雄」の署名入り。岸田首相一行がキーウ入りの際に列車に積み込んだ「うまい棒」の段ボールに梱包されていたとみられる。国際ジャーナリストの春名幹男氏がこう言う。
「2016年、当時のオバマ米大統領が現職として初めて被爆地・広島を訪問した際、4羽の折り鶴を持参して話題になりました。県民をはじめ、日本国民の琴線に触れる贈り物だったと思います。贈られる側の気持ちや立場を考えていたからこそ、出た発想でしょう。かたや岸田さんはどうか。ウクライナの風習・文化は脇に置いて、とりあえず『外交慣例』として『地元名産品』を贈った。思慮の浅さ、押し付け感が否めません」