「節約&節電の裏技」を専門家に聞く まずは電気料金と家電の消費電力の仕組みを知る
光熱費が爆上がりして家計を圧迫している。この状況をいかに切り抜けるか! 家電のプロ・多賀一晃さんに話を聞いた。
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3月になり、東京でも、暖房は全く使わず、体感温度は部屋着で調整、節電できるようになりました。この冬は「狂乱の光熱費」で、家計が火の車という人も多かったと思います。高騰の直接原因はプーチンのウクライナ侵略戦争ですが、戦争が終わっても、エネルギー高騰は避けられないでしょう。
今回は生活スタイルをほとんど変えずに電気代を安くする方法を考えてみたいと思います。それには電気料金、家電をよく知らなければなりません。「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」です。
今回は契約者数の多い「従量電灯B」、東京電力価格で考えます。
今の電気料金は、「基本料金」「電気量料金」「再生可能エネルギー発電促進賦課金」を足したものです。
①基本料金
「基本料金」は「契約アンペア数」で決まります。アンペア(電流)契約は、10アンペア、15アンペア、20アンペア、以降10アンペア刻みで60アンペアまであります。10アンペアで286円。4人家族では50アンペア(1430円)契約が一般的です。
②電気量料金
「電気量料金」は2つの合算です。ひとつは「電気料金単価×使用量」。これにもうひとつ、燃料費調整額(「燃料費調整単価×使用量」)が上乗せされます。その時の電気のもとになる原油、液化天然ガス、石炭の価格から決められています。2021年5月はマイナス3.47円/キロワット時(時間当たりの電気代)でしたが、その後に戦争などで上昇、今年2月は12.88円。これが狂乱の電気代の直接原因です。庶民としては下げる手だてがありません。
③電気料金単価
「電気料金単価」は、使っている電気量により異なります。
120キロワット時(時間当たりの電力消費量)までは19.88円ですが、120~300キロワット時は26.48円、以降30.57円と単価が上がります。要するに、家電を使う大口顧客ほど、高い電力料を支払う仕組みです。
19.88円以下の電力消費量枠(120キロワット時以下)は長時間使用する「照明」「冷蔵庫」の使用量で、ほぼ埋まってしまいます(表参照)。