苦手の英語は「聞く&読む」でかぶれを目指す! ネイマールとも親しいマイスターが伝授

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 グローバル化が進む今、大企業はもちろん、中小企業も海外との取引が成長の原動力で、出世を望むなら語学力が必要だ。それだけに将来の海外赴任などに備え、新年度から一念発起、語学スクールに通う人は少なくないだろう。では、たとえば英語アレルギーが強い人がうまく習得するコツはないのか……。

  ◇  ◇  ◇

 やや古い調査だが、講談社が2016年、留学や海外生活の経験がない日本人男女1000人を対象に、英会話力について調査したところ、「英語を聞くことも話すことも問題なくできる」は2.5%。同時期に行われた楽天インサイトの英語に関する調査で、「得意」は8.7%だった。

“純ジャパ”の日本人で英語が“できる”のは、多く見積もっても10%に満たないのではないか。英語アレルギーの人は、かなりの数に上る。

「英語を読む、書く、聞く、話すの4技能をすべて完璧にこなすことができる状態が、“英語ができる”ことかもしれませんが、英語アレルギーの人の勉強法として、“できる”を目指すのは、現実的ではありません。まずは“分かる”を目指すべきです」

 こう言うのは、主に海外志向のプロサッカー選手を対象に語学習得や異文化コミュニケーションを指導する「フットリンガル」代表のタカサカモト氏だ。これまで日本代表の遠藤航選手や原口元気選手(ともに現在はシュツットガルト所属)をサポート。いまでは学生や社会人にも対象を広げている。

「最も初歩的な“分かる”は、英語を聞けることです。日本で暮らす人なら、ニュースや映画を聞き取れれば、十分英語が分かったことになるし、そうすればインバウンドの外国人に英語で尋ねられても何とかなるでしょう。赤ちゃんは両親や周りを観察して聞いて、言葉を覚えます。英語アレルギーがある大人も、やり方は同じです。英語の音声をひたすら聞き続けて“英語シャワー”をとにかく浴びる。そして読む。これが重要です」

 来月で38歳になるサカモト氏は鳥取生まれ鳥取育ちの“純ジャパ”だ。それが東大に進学すると、メキシコ留学などで3回退学しかけて卒業に8年を要したものの、その間に英語とスペイン語をマスター。卒業後はブラジルで暮らし、ポルトガル語も使いこなし、サッカーのスーパースター・ネイマールとも接点を持つまでになった。

 その激レア人生をまとめたのが、このほど上梓した「東大8年生 自分時間の歩き方」(徳間書店)だ。激レアぶりは新刊に譲るとして、“純ジャパ”の語学マイスターに英語習得のコツを聞いた。

■遠藤航選手はエド・シーランを完コピ

“英語のシャワー”を浴び続けるにあたっては、その人にとってストレスのない方法を徹底的に探るという。

「本屋で英語学習のハウツー本を探すと、どれも『これさえやれば、完璧です』といった具合に自信満々にアピールしています。それで万全の人もいるかもしれませんが、ダメな人も多くいます。なぜダメかというと、その人のベストな方法が最適化されていないから。そこで、僕はベストな方法を探すべく、ストレスのない学習法、インプットの方法を徹底的に探します。遠藤選手の場合は洋楽好きなので、エド・シーランを完コピしたりしていました。海外で自己紹介するとき、“エンドウ・シーラン”と名乗って歌い始めたら、一気に周りのハートをわしづかみにして、コミュニケーションのキッカケになりますから」

 洋楽を聴き続けることで耳を英語に慣れさせながら、歌詞を覚えて言い回しをインプットする。洋楽に興味がなければ、英語のアニメなどでもいいという。

「ディズニーをはじめとする幼児向けのアニメは健全な英語を身につけるのに最適です。その人のレベルに合わせ、幼児向けからスタートするのか、もう少し上の子供向けにするか、選択するといいでしょう。最初から大人が楽しめるハリウッド映画などではハードルが高過ぎるので、少しずつレベルを上げるのがベターです」

 その一方で読む訓練には、参考書が役立つそうだ。

「Z会の『速読英単語』です。これは英文を読みながら、分からない単語の意味を推測するような作りになっています。どうしても分からなければ、単語の解説面や和訳のページを見ればいい。遠藤選手も、この中学版からスタートしました。中学版をマスターしたら、高校の入門編、必修編、上級編へとステップアップするのです」

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