神奈川県警「被疑者ノート」改ざん事件に判決…昭和感覚の警察官はまだいる
「被疑者ノート」という言葉をご存じでしょうか? 刑事事件を扱う弁護士はよく利用しますが、一般の人にはなじみがないかと思います。
「被疑者ノート」とは、弁護人が差し入れ、被疑者に体調や精神状態、取り調べの有無と時間、警察官に何を聞かれたのか、怒鳴られたり暴力は受けていないかなどを日々記入してもらうノートです。これにより違法不当な取り調べの確認と証拠保全をすることができます。
そして「被疑者ノート」には、弁護人と被疑者の接見は警察などの立ち会いを受けず、またその会話内容などを知られない権利(秘密交通権)の保障が及びます。そのことは「被疑者ノート」の表紙にも書いてあります。
ところが、あろうことか、警察官がこのノートを勝手に見て、不利な内容を削除させようとしていたことが問題になっています。神奈川県警の警察官が、弁護士が差し入れ、被疑者が利用している被疑者ノートを無断で閲覧し、さらに警察官から受けた不当な処遇を書き留めた部分を黒塗りするよう被疑者に指示していたというのです。これは違法な行為であるとして、今月3日、横浜地方裁判所において、慰謝料の支払いを命じる判決が下されました。