LGBT理解増進法案を阻む「安倍さんの遺志」の旗印…自民党内にカルトさながらの一派
「『安倍さんだったら反対していた』と言い出す可能性がある」──自民党内から早くも警戒の声が聞こえてくる。岸田首相が「LGBT理解増進法案」の今国会提出に向けた準備を指示。性的少数者への差別発言による秘書官更迭の“火消し”に躍起だが、敵は党内にあり。立ちふさがるのは「安倍元首相の亡霊」だ。
■総務会が「待った」
LGBT法案は2021年、超党派の議員連盟が自民案に「差別は許されない」との文言を加え、国会提出を目指したが、自民の保守系議員の反発で頓挫した。大詰めになって「待った」をかけたのは、自民党内で法案の国会提出を了承する総務会だった。
「議連が加えた文言に『理解増進が差別禁止に変わった』『訴訟の乱発を招きかねない』などと批判を浴びせ、会期末直前に法案提出を見送り。その後は、ずっとたなざらしのままです」(自民党関係者)
当時、総務会役員に「絶対に通すな」とハッパをかけたとされるのが、安倍元首相だ。直接「これは闘争だ」と鼓舞したとも言われている。安倍元首相は「伝統的家族観」を重んじる保守団体「日本会議」のシンパで、その古い価値観を破壊しかねない法案には反対だったのだろう。