岸田政権“差別思想”の背景に旧統一教会の影…「LGBT理解増進法案」成立は前途多難

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「(同性カップルが)隣に住んでいたら嫌だ」──。首相秘書官の差別発言が批判を招いたことを受け、岸田首相は「LGBT理解増進法案」の提出に向けてカジを切ったが“差別思想”が根強い自民党内から反対論が噴出し、成立にこぎつけるかは微妙な状況だ。

 ◇  ◇  ◇

 そもそも岸田内閣には差別思想の持ち主が居座っている。LGBT法案は、2年前に超党派議連が「成立」で合意したものの、自民党内の反発で国会提出は見送られた。当時、強硬に反対したのが、簗和生衆院議員。非公開の議論の場で「人間は種の保存をしなければならず、LGBTはそれに背くもの」と訴えたとされる。

 簗氏は現在、文科副大臣の職にある。「同性カップルは生産性がない」など過去の差別発言を理由に更迭された杉田水脈前総務政務官と変わらない。杉田氏同様、トンデモ副大臣もクビにしなければ道理に合わない。

 いくら岸田首相がLGBT法案提出にカジを切っても、党内の反対論は根強い。西田昌司政調会長代理は7日、「反対だ。いったん廃案になっている」「同じことを蒸し返すと分断だけ生んでしまう」と主張。岸田首相自身、先週の国会で同性婚の合法化について「社会が変わってしまう」とアドリブ答弁していた。なぜ自民党はここまでLGBTを毛嫌いするのか。

 その背景にチラつくのが、自民党と蜜月関係にある旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)の存在だ。「同性婚反対」は教団が掲げる重要な運動方針の一つなのである。

■教団ズブズブ議員は「同性婚反対!」と高らかに宣言

 旧統一教会系の政治団体「国際勝共連合」は公式HPに〈同性婚合法化、行き過ぎたLGBT人権運動に歯止めをかけ、正しい結婚観・家族観を追求する〉と明記。選挙支援を受けた「教団ズブズブ」の井上義行参院議員の行動は分かりやすい。昨夏の参院選の最中に教団の集会で「私は同性婚反対を、信念を持って言い続けます!」と声を張り上げて支持を呼びかけていた。

 宗教法人法に基づく教団の解散命令請求も遅々として進まない。文化庁は7日、3回目の「質問権」行使に対する回答書類を教団から受け取ったが、請求の可否判断に向けて4回目の質問権行使を示唆。調査はズルズルと長期化するばかりだ。

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