犯罪グループ「ルフィ」がもくろむ完黙作戦…だから黒幕がいても警視庁はたどり着けない
「ルフィ」を名乗る犯罪グループの幹部らは、果たして口を割るのだろうか──。
警視庁が特殊詐欺事件で逮捕状を取得していた今村磨人(38)、藤田聖也(38)両容疑者が7日、フィリピンから日本に強制送還された。警視庁は2人を捜査本部のある渋谷署に移送し、特殊詐欺容疑で捜査を行った後、一連の広域強盗事件について調べを進める。グループのリーダー格の渡辺優樹(38)、小島智信(45)両容疑者は9日未明、送還される予定だ。
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渡辺容疑者ら4人は2018年11月~20年6月の間に約2300件、被害総額約60億円以上に上る特殊詐欺事件と、22年5月~23年1月には14都府県、20件以上の強盗事件に関わったとみられる。昨年12月の広島市の強盗殺人未遂事件では、男性経営者が意識不明の重体となり、今年1月、東京都狛江市で高齢女性が殺害された。今後の裁判では実行役に加え、指示役も強盗殺人を教唆したとして、強盗殺人罪もしくは強盗致死罪に問われれば、法定刑は死刑または無期懲役しかない。
強盗事件に関与した4人が絶望感を抱き、上部組織の存在などを洗いざらいブチまけることはないのか。
「ペラペラしゃべることはあり得ない」と、特殊詐欺事件に詳しい捜査関係者がこう続ける。
「被疑者には黙秘権がありますから、まず接見した弁護士が『絶対にしゃべるな。取り調べには応じるな。黙秘しろ。調書には署名するな』と、アドバイスするはず。『話をするのは公判で』ということになる。取り調べでは調書も取れず、供述もないまま進んでいくことになるでしょう。ただ、捜査側も『私がやりました』という不利益供述を取らないといけないから、雑談の中で方向性を探っていく。いくら弁護士から『黙秘でいけ』と指示されても、ついポロッとしゃべるヤツもいる」