陸上自衛隊は「将官と司令部」が多すぎる 戦力を半分にしても問題がない根拠
陸上自衛隊を削減すれば防衛費増額は必要なく、陸自の戦力を半分にすれば海自と空自は5割増にできる──と前回、述べた。もちろん、陸自を大幅削減して大丈夫なのかとの疑問も湧くだろう。
結論からいえば半分にしても問題はない。陸自は日本防衛にさほど寄与していないためである。
現状は対中国の備えとは程遠い。総兵力14万人であるが、対中正面の沖縄には1万人も配置していない。半分の7万人に減らしても、南西諸島の防衛に力を注げばむしろ強化となる。半減7万人のうち、沖縄に2万人もおけば戦力比では2倍から3倍となる。
加えて、陸自には司令部の数が多すぎるという問題もある。その数は世界有数である。基幹部隊と上級組織だけで22個の司令部があり1万人以上の隊員を費やしている。
まず、合計14万人にかかわらず師団と旅団を15個もつくっているのは、世界の常識から大きくはずれている。50万人規模である米陸軍の14個、12万人規模の仏陸軍の7個と比べ不自然に多い。
当然だが中身はスカスカだ。通常2万人前後の師団を9000人から6000人とし、通常、旅団は7000人前後なのに2000人規模の旅団をつくって平然としている。本来なら司令部は不要な規模だ。