「ルフィ」による被害総額は60億円以上…闇に消えたカネの行方と、気になる暴力団との接点
「ルフィ」を名乗るグループは、6代目山口組弘道会の「手法」をマネしたのか、それとも暴力団の手先だったのか──。
国内各地で相次ぐ広域強盗事件に関与したとして、警視庁がフィリピン当局に強制送還を求めていた特殊詐欺グループの幹部4人のうち、7日、今村磨人(38)と藤田聖也(38)両容疑者が日本に移送され、同日午後に成田空港に到着した。警視庁は強盗とは別の特殊詐欺事件に絡む窃盗容疑で逮捕状を取っており、2人を機内で逮捕した。
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またリーダー格の渡辺優樹(38)と小島智信(45)両容疑者に関しては、8日に送還されることになった。フィリピンのレムリヤ法相が7日、明らかにした。
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渡辺容疑者らのグループは、2018年11月~20年6月まで約2300件の特殊詐欺事件に関わり、被害総額は60億円以上に上る。渡辺容疑者は、実行役が日本各地でダマし取った現ナマを「運び屋」を使ってフィリピンのアジトまで届けさせていた。
「金庫番を兼ねていた渡辺のオンナが19年に7回、別の男が数回、日本とフィリピンを行き来して現金を渡していますが、それでも総額は数億円程度です。とても60億円には届かない。口座振り込みや暗号通貨も使っているかもしれませんが、そんな大金が送金されたら何らかの形跡が残るはず。かと言って、事件当時、フィリピンに移り住んでわずか1、2年しか経っていない4人に、マネーロンダリングの知識やルート、信頼できる人脈、大がかりな組織があるとは考えにくい」(捜査事情通)
渡辺容疑者らは現地のカジノやナイトクラブで豪遊し、複数の不動産を購入していたが、フィリピンの物価は日本の3分の1程度。21年5月に入管施設に収容された後は、カネを使うといっても生活費や施設職員への賄賂ぐらいのもの。
残りのカネはどこに消えたのか。60億円の大半をどこかに隠しているのか。