消滅危機の伝統野菜を鹿児島の離島で再興する動き 伝承に励むのは関西出身の大学職員
ダイコンやニンジン、タマネギなど、約130種の野菜のほとんどは外国から来ているが、「京野菜」など、古くから日本の土地で育った野菜は伝統野菜と呼ばれている。
栄養価が高く味もいいが、生産性などの点から姿を消しつつある。そんな中、鹿児島の離島で再興の動きがあるという。
鹿児島大学農学部職員の中野八伯さん(42)は、奄美大島、屋久島、喜界島などの家庭で種を分けてもらい育て方を学び、伝統野菜の研究をしている。
「鹿児島には、重さが6キロ前後ある全国的に有名な桜島大根のほかに、長さが30センチほどの伊敷長ナスなど、インパクトのある伝統野菜が多い。これらの野菜はどの家庭でも作られていましたが、経済成長による人口増加の過程で、姿形がよく流通させやすい生産性の高い早生品種が求められるようになり、ゆっくりと衰退していきました」(中野さん)
伝統野菜は他の土地で育てても同じように成長しない。ほとんどが各家庭で食べるために栽培されているという。