髙橋裕樹
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髙橋裕樹弁護士

「すべては依頼者の笑顔のために」がモットー。3000件を超す法律相談実績を持ち、相続や離婚といった身近な法律問題から刑事事件、企業法務まで何でもこなすオールマイティーな“戦う弁護士”。裁判員裁判4連続無罪の偉業を成し遂げた実績を持つ。アトム市川船橋法律事務所。

刃物携帯は意外に厳しい…「キャンプで使うつもりだった」はNG?

公開日: 更新日:

 一昨年の令和3年12月頃、鮮魚店を営む男性が、警察官から職務質問を受けた際、かばんのポケットからの十徳ナイフ(刃渡り6.8センチ)が発見されたとして、軽犯罪法違反(凶器携帯)に問われた事件がありました。男性は「仕事や日常生活で使う」と話し、犯罪にはあたらないはずだと訴えましたが、今年1月、大阪簡易裁判所は、男性に「科料9900円」の略式命令を言い渡しました。

 検察官は、「ナイフを携帯する必要が認められない」と考え、裁判所もこの検察官の判断に従い、有罪としたようです。男性は、この内容に不服があるとして、正式裁判を求めています。

 刃物の携帯を規制する法律には、「銃砲刀剣類所持等取締法」(いわゆる銃刀法)や「軽犯罪法」があります。銃刀法22条は、業務などの正当な理由を除いて「刃体の長さが6センチメートルを超える」刃物の携帯を禁止しています。また、軽犯罪法1条2号は、長さに関係なく、正当な理由のない刃物の携帯を禁止しています。

 これらの法律でも、業務上の必要性やキャンプや釣りなど「正当な理由」で刃物を携帯していたといえる場合には、犯罪にはなりません。一方で、車の中やバッグの中に刃物を入れたままにしていた場合には、「正当な理由」が認められないこともあります。これは結構怖いなと思います。

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