えっ?目玉は児童手当の拡充なの…岸田政権キモ入り少子化対策は「異次元」のショボさ
やっぱり看板倒れの気配だ。岸田首相がブチ上げた「異次元の少子化対策」の目玉は、児童手当の拡充。子育て世代への支援拡大でイイ顔しようとしているが、そう簡単に少子化に歯止めがかかるわけがない。諸外国の対策に比べても、「異次元」とはほど遠い。人気取りにもなりゃしない。
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児童手当は現在、中学生までの子ども1人当たり月1万~1万5000円。政府は今後、増額や所得制限の見直しを検討する方針だが、肝心の財源論は4月の統一地方選後に先送りした。
人口問題に詳しい日本総研上席主任研究員の藤波匠氏がこう指摘する。
「支援拡充などの方向性は良いと思いますが、それと並行して若い世代の経済状況も改善する必要があります。40代の大卒社員の実質年収は、10歳上の世代に比べて今は約150万円少ない。奨学金を借りた学生は、社会に出た段階ですでに借金を抱えている状態であり、高等教育費用をどうするのかも重要な課題です。学費無償化や奨学金の給付枠を増やさない限り、教育費用問題は子どもを持たないという諦めにもつながります」
少子化は、「合計特殊出生率が約2.1を下回る状態」と定義されている。OECD(経済協力開発機構)加盟38カ国のうち、出生率2.1を上回っている国はイスラエルのみ。出生率2.08と、ギリ少子化のメキシコを除けば、残り36カ国は子どもが減る問題に直面している。出生率1.33の日本はワースト4位だ。
世界の中でも超少子化社会の日本なら、なおさら諸外国以上に大胆な政策が求められる。しかし、先進事例に目を向けると、本気で取り組むハードルの高さは半端じゃない。