プーチン大統領まさかの追放も…泥沼ウクライナ侵攻で激化するクレムリンの権力闘争
ウクライナの要人を乗せた非常事態庁のヘリコプターがキーウ近郊で墜落、モナスティルスキー内相ら16人が死亡するまさかの出来事に衝撃が広がっている。ヘリは前線へ向かう途中だったが、現場付近でロシア軍による攻撃はなかったという。墜落原因は調査中だが、プーチン大統領が戦端を開かなければ起きなかった悲劇だ。
「特別軍事作戦」の総司令官を制服組トップのゲラシモフ参謀総長に交代させたばかりのロシアでは、ショイグ国防相が2026年までに兵士の定員を現状の115万人から150万人に引き上げると発表。さらなる長期戦に備えた動きにも見えるが、来年3月に実施予定の大統領選で5選を狙うプーチン大統領の焦りが透けて見える。というのも、手足となってきた民間軍事会社「ワグネル」の存在が肥大化しているのだ。
ワグネルを率いるのは「プーチンのシェフ」と呼ばれる実業家のプリゴジン氏で、強硬派の筆頭格だ。プーチン大統領の意向に沿って世界のアチコチに傭兵を派遣しウクライナではロシア軍がおののくほど残虐な戦闘を展開させているとされる。
筑波大名誉教授の中村逸郎氏(ロシア政治)はこう言う。