なんどき屋(東京・新橋)昼飲みも朝飲みも夜飲みも何時でもOK!
「おいしかったよ。ごちそうさん。また来るね」
12時で昼飲みを終え関西方面に帰る5人のサラリーマンが店主の服部逸郎さんに声をかけた。これが新橋駅前、「なんどき屋」の日常風景だ。
「ウチは出張の人には便利なんです。新幹線に乗るなら東京駅か品川駅に行けばいいし、飛行機を使う人は浜松町に行けばモノレールがあるから」
そこに「ちょっと寄っただけ」と女性の常連さんがやって来て、「バリウム飲んだからさ。今日は顔だけ見に来た」と言って帰って行ってしまった。みんな店になじんでいるのだ。
一般企業のサラリーマンだけでなく、土地柄でテレビ局や新聞社、出版社の関係者も多く、常連客が多くてもどんより感がないのもいい。
都内一の激戦区で53年
新橋という大激戦区に根を下ろして53年。もともとは牛めしの店だったのがいつでも飲める居酒屋を標榜し、24時間営業を続けている。店の前には「朝飲みOK 昼飲みOK 夜飲みOK」という目立つ看板も。
従業員はどうしているのかを聞くと、7時、15時、23時の8時間3交代制だ。朝の人は電車が混雑する前、夜の人は電車がある時間に店に入ることができる。合理的にシフトを組んでいる。
入り口には「手作り」の電飾の文字もある。24時間店を開けて手作りは大変な気もするが。
肉豆腐はまるで魔法のよう
そのメニューとは例えば、肉豆腐、手作りメンチカツ。肉豆腐は長年付き合いのある豆腐屋から仕入れ、創業以来継ぎ足しのつゆにつけてから出す。つけるのは注文されてから。短時間でも濃く色がつき味わいはマイルド、しょっぱくない。まるで魔法のような肉豆腐だ。
メンチはしっかり揚げてあるので、かぶりつく感じ。力がつきそう。この日は加えて懐かしいロースハムステーキ750円もお願いした。
魚好きのためには日々の新鮮な刺し身類も充実しているので、日本酒でグイッ、もOK。お腹がすいた人には牛めしもあります。
店名は落語のもちろん「今、何時だ?」の「時そば」から。
(住)東京都港区新橋3-20-4
(℡)03・431・1845
(営)24時間。休日は大晦日、三が日
▽肉豆腐600円、手作りメンチカツ750円、ロースハムステーキ750円。スーパードライ生550円、レモンサワー450円