サッカーW杯で「勇気をもらった」を科学的に分析 誰かを“応援すること”は自分の力にもなる
サッカーW杯カタール大会は、決勝戦でアルゼンチンがフランスを3-3の同点の末、PKで破り優勝。およそ1カ月に渡って繰り広げられた熱戦が幕を閉じた。
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日本は、一次リーグをドイツ、スペインに勝ち、コスタリカに敗れて1位通過したが、決勝トーナメント第一戦でクロアチアにPKで敗れ敗退。“悲願のベスト8進出”は叶わなかった。
今回のW杯は、日本代表が一次リーグで格上のドイツやスペインに劇的な逆転勝ちを収めたことで、多くの“にわかファン”の注目を浴び、6日未明にフジテレビ系で放送されたクロアチア戦は、平均世帯視聴率34.6%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)に達した。多くの人が、眠い目をこすりながらベスト8入りを目指す日本代表を応援したわけだ。
しかし、にわかファンであっても、テレビの前でひと時でも声援を送ったことは、選手のみならず本人にとっても無駄ではないという。
このほど「『不安』があなたを強くする 逆説のストレス対処法」(日刊現代)を上梓した言語学者で明治大学教授の堀田秀吾氏はこう話す。
「松岡修造さんのように、熱いエールを全身で表現するばかりではなく、自分の気持ちの中だけでも、誰かを“応援すること”は確実に自分の力になるのです」
堀田氏は、もともとコニュニケーションに関する研究を言語学、心理学、脳科学などの立場からアプローチしてきたが、ここ十数年は、コミュニケーションによって、心と体の「元気」をどう整えるか、QoL(Quality of Life)を向上させるための科学的な方法を分析している。