ウクライナ侵攻の見方が変わる…名著に学ぶ「戦争プロパガンダの歴史と真実」

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 ロシアのウクライナ軍事侵攻でよく分かったことがある。戦争とは情報戦そのものだということだ。どちらに正義があるかに始まり、毎日の戦況、今後の展開、お互いが自軍に有利になるように情報を出す。それをメディアがどう報じるか。それによって、国際世論も変わってくる。今回の軍事侵攻で言えば、情報量は圧倒的にゼレンスキー大統領のウクライナだろう。大統領自らが連日、動画を配信し、ロシアの非道を訴え、武器供与を呼びかけている。大統領自身が“広報”を担っているのだが、戦争における情報戦については長い歴史がある。情報戦は過去の戦争においても重要な“戦略”だったのである。

 それがつぶさにわかる本が「クルーハウスの秘密」だ。第一次世界大戦末期に大英帝国がドイツ帝国に仕掛けたプロパガンダ戦の詳細な記録で1921年に出版された。「クルーハウス」はプロパガンダ専門の政府機関で、著者はキャンベル・スチュアート。クルーハウスの次長を務めていた生き証人だ。


 今年9月、この本の新訳本(緑風出版、松田あぐり/小田切しん平共訳)が出た。実にタイムリーな出版で、さっそく、訳者のひとり、小田切しん平さんに話を聞いた。

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