生活レベルに天地の差?「私有財産0円」の質素な日本の皇室と「資産3兆8000億円」大金持ちの英国王室
(2)私有財産
エリザベス女王の夫の故フィリップ王配は、もともとは外国王室の王子(ギリシャ)。よそ者の婿という鬱屈した気持ちを、自分の存在感をアピールすることで発散していた節もあった。
女王の戴冠式のテレビ放映の指揮や、英国の公共放送局BBCに王室の日常を撮影させ、ドキュメンタリーとして放送させることを計画したのもフィリップ王配だとか。
そういえば、筆者の知人の75歳のイギリス人牧師は、幼い頃に街の共同のテレビで戴冠式を見て感激したと言っていた。近寄りがたくて庶民とは壁があると思われていた王室だが、儀式や日常を披露することで、より身近に感じて欲しいとの思惑があったのだろう。
ドキュメンタリーでは王族が家族で食事をしたりテレビを見たり、バーベキューでフィリップ王配が肉を焼いたり、「アイスクリームを食べていい?」と末子のエドワード王子が女王にたずねたりなど何げないシーンで構成される。
この「ロイヤルファミリー」という記録映像は、当時のイギリス国民の4分の3が視聴したようでおおむね好評だった。しかし、王室が非常にぜいたくな生活を送っていると一部から非難を受けたことや、王室の神秘性を損なう恐れがあると女王がこの映像をお蔵入りにした。