俳優・渡辺徹さんはわずか8日で急逝 「食中毒」には命を落とすリスクが…他人事ではない!
グルメな俳優の突然の訃報に驚いた人は少なくないだろう。先月28日に亡くなった俳優渡辺徹さんだ。一般には耳慣れない敗血症で、61年の生涯に幕を閉じたが、その急変ぶりは決して他人事ではないという。
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渡辺さんに異変が生じたのは先月20日。所属した文学座によると、発熱や腹痛などの症状が現れたため、都内の病院で検査を受けたところ、細菌性胃腸炎と診断されて入院。
その後、敗血症を起こし、入院からわずか8日後に帰らぬ人となってしまった。
細菌性胃腸炎は、いわゆる食中毒だ。それが敗血症に至るのは、なぜなのか。東京都健康長寿医療センターの元副院長・桑島巌氏が言う。
「体に細菌やウイルスなどの病原体が感染すると、それらから身を守る免疫反応が生じたり、傷口が修復されたりします。その生体メカニズムが適切に制御されていれば問題ありませんが、制御不能となって臓器障害を引き起こした状態が敗血症です。感染経路は、肺炎や尿路感染症が多く、細菌性胃腸炎をはじめとする腸管感染症や、手足の傷口などからの感染もある。年間10万人が亡くなり、重症化因子は糖尿病、肝臓病、がん、高齢者などです」
厚労省によると、昨年の食中毒発生状況は、全体で717件発生。患者数は1万1080人に上る。
全国の患者数を月別に表したのが表①だ。梅雨に入る6月が多いのは例年通りだが、昨年は4月が6月を上回っている。昨年4月は、岡山で提供された弁当給食がノロウイルスに汚染されていて2545人が、愛知でも給食のノロ汚染によって158人が食中毒に。これらが例年以上の感染者数の要因だが、食中毒はほかの月も確実に発生している。患者数はともかく、食中毒の件数は例年、6月前後より年末の方が多い傾向だ。