値上げ慣れで価格転嫁が加速…2023年に悪夢の狂乱物価高がいよいよ始まる
「ブラボー」──。世界に衝撃を与えた大金星に列島は大騒ぎだ。サッカーW杯日本代表の「奇跡のグループリーグ突破」に浮かれていられるのも今のうち。今年一年の値上げラッシュは“ウオーミングアップ”のようなものだ。来年は一段落どころか、さらに過酷な値上げとの“戦い”になる恐れがある。
1日に公表された帝国データバンクの調査結果によると、来年値上げする食品は11月末時点で4425品目に上る。ピークとなる2月は冷凍食品、調味料、菓子類など3269品目が予定されている。2月以外は、1月514、3月384、4月258品目だ。
驚かされるのは、値上げ幅だ。来年の4425品目の平均値上げ幅は17%に達し、今年通年より3ポイント高い。今年は散々値上げが実施されたにもかかわらず、それを上回る幅とはどういうわけなのか。帝国データバンク情報統括課の飯島大介氏に聞いた。
「今年の値上げは消費者側も企業側も“耐性”がありませんでした。『十数年ぶりの値上げ』というケースも少なくなかった。エネルギーや原材料の上昇に見舞われた企業はどう対応してよいか、戸惑いながら数%程度という最小限の値上げを実施した印象です。ただし、例えば北陸電力が45%の値上げを申請しましたが、本来、それぐらいでなければ、コスト上昇分に追いつかないのです」