自律神経に働きかける「528Hz」にこだわる異色ピアニストの挑戦…ライブで寝落ち者続出
睡眠に大きな影響を与える自律神経に関して興味深い研究が発表されている。小林弘幸教授率いる順天堂大医学部チームの論文「内分泌系システムと自律神経に対する528Hzの音楽の効果」だ。
この論文の結論は「聴いているのが短い時間でも528Hz(ヘルツ)音楽はストレス軽減効果があると示唆している」というもの。オキシトシンといわれる幸せホルモンが増加し、副腎皮質ホルモンである糖質コルチコイドの一種に影響を及ぼすのが原因なのだという。
要するに、疲れた時、眠りたい時に528ヘルツの音、音楽を聴くとストレスを解消することができ、眠くなるということなのだが……。時に癒やし系ミュージックが話題になることがあるが、528ヘルツの音楽はそれとは異なるらしい。
■音に体が持って行かれて動けないような感覚
このことに気がついて「528ヘルツの音楽」を始めた人がいる。エイコン・ヒビノさんだ。ご本人が語る。
「私はもともとピアニストで40歳くらいまで親がやっていた店でピアノを弾いていました。それからイベントプロデュースの仕事を手がけたりしていたのですが、45歳のころ、一度きりの人生だから人と違ったことをやってみようと思い立ちました。528ヘルツの周波数に癒やしの効果があることは以前から知られていたのですが、どうやるかはわからなくて、家のピアノを音叉を使って528ヘルツに調律してみました。すると、その音に体が持って行かれて動けないような感覚に陥りました」
楽器は通常ドレミファソラシドのラの音を国際基準で440ヘルツにするようになっているのだという。528ヘルツはラではなくドを528ヘルツに調律し、それを基準に全体も調律する。楽器ならピアノだけでなく、バイオリンなどの弦楽器も調律できる。
「528ヘルツのピアノで曲もカバーしました。ベートーベンの『悲愴』やドビュッシーの『ムーンライト・ラブ』です。それをみなさんに聴いてもらいました。すると効果が顕著で、大きなあくびをしたりする人、寝落ちする人、爆睡する人もいました」