「麻生氏の子飼い」薗浦氏が“闇パーティー”で4000万円過少記載…“雪辱”に燃える特捜部
「一大疑獄」に発展するのか。自民党の薗浦健太郎衆院議員の事務所が政治資金パーティーで得た収入、計約4000万円を政治資金収支報告書に記載しなかった疑惑が浮上している。4000万円という多額のカネを記載しないのは異例のことだ。公設第1秘書は東京地検特捜部から聴取を受けているという。果たして4000万円は裏金だったのだろうか。11月30日の朝日新聞の報道で発覚し、政界が騒然としている。
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薗浦氏が代表を務める資金管理団体「新時代政経研究会」の収支報告書によると、パーティーは2018~20年に都内のホテルで計6回開催され、収入は計4362万円。また「そのうら健太郎後援会」も17~19年にパーティーを3回開き、計約1000万円の収入があった。
両団体の会計責任者である第1秘書は特捜部に、実際のパーティー収入から一定額を差し引いた金額を収支報告書に記載していたと説明。最初から一定額を差し引いたとしたら、裏金づくりだった疑いも捨てきれない。差し引いた分は計約4000万円にも上るという。
第1秘書は、パーティーのたびに薗浦氏に「この分は載せません」などと差し引く金額を報告していたと供述しているというが、薗浦本人は「事前に報告は受けていない」と否定した。
「香川県出身の薗浦さんは東大法卒後、読売新聞に入社。03年に自民党公認で千葉5区から出馬したが落選し、05年に初当選しています。麻生派に所属する当選5回生。麻生さんの政策秘書もしていた“子飼い”です」(永田町関係者)
驚くのは、過少記載された金額の大きさだ。野党からは「額が大きすぎる」「ミスで済まされる金額ではない」という声が噴出。政治資金規正法の不記載罪に問われれば、5年以下の禁錮または100万円以下の罰金に処される。果たして特捜部はどこまで切り込んでいくのか。
「特捜部にとって立証しやすい案件だとみられています。過少記載を裏付ける銀行の振込明細や、パーティー会場のホテルの明細書など、物証が残っている可能性が高い。東京五輪を巡る汚職事件では、『バッジ』に届かなかった。その“雪辱”のため、特捜部はヤル気になっているという観測も流れています。薗浦さん本人の立件を視野に入れていてもおかしくありません」(官邸事情通)
早ければ、特捜部は「臨時国会閉会後の12月中旬」(同)にもアクションを起こす可能性もあるという。IR汚職事件を巡って、特捜部が秋元司元衆院議員の事務所を家宅捜索し、収賄容疑で逮捕したのも19年の臨時国会の閉会直後だった。