カテリーナ流タフな“営業スタイル”…子供を連れ楽器を持って全国のステージへ立つ
ウクライナの伝統楽器バンドゥーラ奏者のカテリーナさんは妊娠中から出産後も演奏できる場所を探しながら仕事を続けていた。
「最初はコンサートをやってもお金になりませんでした。それに週末の土日は子供を旦那さんにお願いして行っていたので、ある時『もう家族もいるからそこまでやらなくてもいいじゃないか』って言われたんです。でも私は有名じゃないし、事務所にも入っていないので小さな仕事からスタートするしかないとずっと思っていました。それになによりも好きな音楽を続けたかった」
そして赤ちゃんがまだ4カ月の時、音楽活動は誰にも頼らず、自分自身で頑張ろうと決心したことを思い出し、「それなら一人で頑張るよ」とカテリーナさん。
「子供をおんぶして、楽器と荷物を持ってコンサートに行きました。ステージの前にミルクをあげて寝かせて、本番中はスタッフの方に見てもらって、歌い終わったら戻ってきてまたミルクを飲ませ、帰宅するのはそれからです。でも、帰り道で『子供を連れていても一人でできる!』って思いながら(笑)」
■函館にも7カ月の赤ちゃんを連れて
その後、函館で行われた音楽の祭典にも7カ月の赤ちゃんを連れて向かった。
「リハーサルの時はずっとおんぶしながら楽器を弾き、音合わせし、本番の時はスタッフの方に遊んでいてもらったんですよね」
しかし、そんな大変な思いをせずに、子供がまだ小さい間は家にいた方がいいのではと思うこともあった。
「今振り返ると、赤ちゃんを連れて、楽器と荷物を持って日本全国のステージに立つのはプロとして頑張ると言いながらも大変でした。でも、子供が邪魔だなんて考えられませんでしたし、周りにも大変だとは思われたくなかった。小さな子供がいても夢があるなら頑張れるって自分に言い聞かせました」
時々やむなくベビーシッターに依頼することもあったが、こうしたカテリーナ流のタフな営業スタイルが子供が2歳になり、保育園に預けられるまで続いた。
今週もウクライナのおもてなし料理を紹介。10月24日に開催したカテリーナさんが主宰するイベント「ウクライナ料理と音楽の夕べ」で振る舞った「ビーツのシュバサラダロール」。
シュバとはニシンのこと。ビーツ色が鮮やかでクリスマス料理にもいいかも。