採用はアナログ回帰へ 「替え玉受験」でズルした就活生を待つのは…不幸しかない?
就活生になりすました関西電力社員による「替え玉受験事件」が世間を騒がせた。騒動もそろそろ一服しつつあるが、採用する側だって手をこまぬいてきたわけじゃない。
年間約215万人が受験するリクルートの適性試験「SPI3」では、受験中の様子を確認できるように、学生が使うパソコンのカメラを起動するように指示。ネットで解答を調べる不正を防止するため、パソコンの画面を試験官と共有することも求め、一部の企業で取り入れられているという。
人材関連サービス会社のヒューマネージのように、AI監視型のウェブテストの提供を始めたところもあるが、「それも“イタチゴッコ”ですよね」と、ITジャーナリストの井上トシユキ氏はこう指摘する。
「不正が見つかり、新たな防止策を講じたところで、必ずくぐり抜ける輩が現れる。クラッカーとセキュリティーソフトの関係と同じです。実際、逮捕された関電社員も《監視型のテストにも抜け穴がある》などとツイートしていたそうですから。“共通テスト”で採用の足切りをするのは、リアルがオンラインになっただけで、昭和から続いてきたやり方です。発想を根本的に変えない限り、不正はなくならないでしょう」