東北電力「来春申請」で始まる値上げドミノ 政府の電気代支援をかき消す“3割アップ”の衝撃
衝撃の値上げ幅だ──。東北電力は24日、国の認可が必要な家庭向け規制料金の値上げを経産省に申請した。樋口康二郎社長は「このままでは電力の安定供給に支障を来しかねない。さまざまな物価が上昇する中、心苦しい」と語った。
ロシアのウクライナ侵攻や円安進行による燃料価格の高騰を料金に反映させる。東北電力の規制料金は、6月に燃料費上昇分を料金に上乗せできる上限に達し、超過費用を自社で負担していた。値上げ幅はナント平均32.94%。来年4月1日の実施を目指す。契約件数の77%にあたる528万件が対象だ。
政府の総合経済対策の電気代支援は、来年1月から家庭の電気代を2割軽減し、9月からの支援額は1割に減る。東北電力の3割値上げは支援額を大幅に上回る。
「総合経済対策の電気代支援は来春の電力会社の値上げとセットだったともっぱらです。電力会社が値上げを実施しても政府の電気代支援により、負担は軽減され、国民の反発も抑えられるとの見立てです」(経産省関係者)
■国民の負担軽減より電力会社に配慮