三平酒寮 西口店(新宿)激戦区で常連客にも支持される“大箱店”の安心感
サラリーマンの街、新宿駅西口エリアはヨドバシカメラ周辺に、昼飲みの店が乱立している。昼から一杯! のチェーン店が右にも左にも、という感じ。だが、食指が動かない。落ち着かない店が多そうな気がして。
甲州街道から並行に2本目の大通り、ヨドバシのマルチメディア館の辺を歩きながら見上げると都庁の超高層ビルが遠くに、その手前あたりをキョロキョロすると、なんとなくほっこり感ある看板、店名がチラッと見える。「三平酒寮」。ここなら大丈夫! 直感である。
ビルの3階。小さな居酒屋かと思ったら、190人以上収容できる大箱の店だった。店内は広々として柱などが少ないので圧迫感がない。コロナの今なら、密が避けられそうという安心感も。さらに、大きいのに純居酒屋っぽいのですよ。
隣で飲んでいた中高年男女4人が顔を寄せ合い、声大きめで談笑している。ここで何度も飲んでいるのがありあり。
10年ほど前から勤めている清水満店長が言うには「私が若かった頃は西口にはお店なんか何にもなかった。ここはその頃からやっていてずっと通ってきている方、常連さんが多いんです。気心が知れている、少しは無理も聞いてもらえるということではないでしょうか」。
この一等地では奇跡的にも基本、常連客に支えられている店なのだ。コロナで落ち込んだ時期もあるが、今は8、9割方戻ったというから、人気は根強い。
並んだのは里芋の唐揚げ、肉豆腐、ブリとネギの串焼きの3品。素材はシンプルだけど、どれも丁寧な仕事ぶりで、ガチャガチャしたチェーン店とはよって立つところが違っている。肉豆腐、実は最近では肉じゃがとともに、居酒屋メニューからフェードアウトしつつある印象で、懐かしさ百倍だ。