インフルワクチンは筋肉注射にするべきだ 日本だけが皮下注射の弊害
今冬、コロナとインフルエンザの両方が流行しそうだ。専門家は両方のワクチンを接種するように勧めている。実は、この2つのワクチンは接種方法が違う。コロナワクチンは筋肉注射、インフルワクチンは皮下注射だ。なぜ、違うのだろうか。
実は、世界ではいずれも筋肉注射する。その方が疼痛・腫脹などの局所反応が軽く、抗体価の上昇などの免疫刺激効果も強いからだ。
米国疾病対策センター(CDC)は、そのホームページで、「もし皮下など間違った方法でインフルワクチンを注射した場合、やり直す必要がありますか」という質問欄を設け、「はい、できるだけ早くやり直すべき」と回答している。予防効果が不十分と考えられているためだ。
日本からの研究も発表されている。亀田総合病院では、病院職員と看護学生がインフルワクチンを打つ際、当事者が接種方法を選択できる。2020年7月、これまでに接種した3721人の結果をまとめた論文を「環境感染誌」に発表した。
この研究によれば、3147人(84.6%)が筋肉注射を選択し、皮下注射を選んだのは574人(15.4%)に過ぎなかった。インフルエンザにかかったのは、筋肉注射群で258人(8.2%)、皮下注射群で65人(11.3%)で、筋肉注射を選択することで27%感染のリスクが減っていた。この差は統計的に有意だった。