新宿2丁目でのバー経営をきっかけに音楽レーベルを立ち上げへ
エム・リナさん(40代)本業=作曲家、DJ/副業=バー経営
エム・リナさん(40代)の本業はCMや舞台などを手がける作曲家。本業の活動と並行して新宿2丁目でバー「みらいラウンジ」を経営している。
リナさんは5年前くらいから女性装をすることが増えたという。リナと名乗り始めたあるとき、新宿の女装ラウンジスペース「パラドックス」で店員に「うちで働かないか」と声をかけられた。
「来週からお店に来られる? ってノリで、夜の仕事を3年前にスタートさせました。接客業は初めてでしたが、お酒も好きだし、おしゃべりもできる。そしてリナとしていろいろな人と関われるので、新鮮でとても楽しかったです。その後に、同じく新宿にあるお店(セレーネカフェ)でランチ営業も担当しました。ハンバーグ、生姜焼き、グリーンカレーなど、自分が作ったご飯をお客さんがリピートしてくれるのがうれしかったですね。店舗の接客ってリアルタイムの瞬間が勝負。お客さんの顔色を見ながら、瞬時の判断が続きます。その経験は曲作りに生きました。作曲では迷ったらA、B、C、Dなどいくつものパターンを作っていたのですが、いまは音楽を聴いている人の顔を思い浮かべやすくなって、どのパターンでどんな顔になるのか判断がつきやすくなりました」
カフェでのアルバイト経験を経て、2021年7月に自分のお店「みらいラウンジ」を立ち上げた。
「21年は、コロナ禍にたまったフラストレーションというか、みんなに息抜きが必要だと感じていた時期でした。そんな中、たまに友人たちと、自分の家で宅飲みをしていたんです。そうしたら、自宅の雰囲気を気に入ってくれたり、一緒にお話しするのを気に入ってくれた方たちから、お店をやってほしいという声があったんです。そこで自宅の内装をあまり変えずにそのままお店にしたんです」