伝説レーベル「ベルウッド・レコード」創設者・三浦光紀さんに聞く Web3.0時代の人生の使い方
日本のポップスをつくり上げたといわれる伝説のレコードレーベル「ベルウッド」。11月に50周年プロジェクトとして記念コンサートを開催する。ベルウッドを立ち上げた三浦光紀さんは今年78歳だが、今もアナログの世界からデジタルのビジネスに乗り出す計画もあるそうだ。いつまでも元気でいる秘訣を聞いた。
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──ベルウッド・レコードが50周年の記念コンサートを開くそうですが。
普通、コンサートは動員数を重視しますが、我々は良質な作品作りにこだわったベルウッド・レコードならではの、玄人好みで、しかも歴史に残るようなコンサートにしたいと思ってます。私が尊敬する伝説のアーティストが一堂に会する唯一無二のコンサートで、まさにベルウッド・レコードの「ラストワルツ」です。
──三浦さんはこれまでに多くの会社の設立に関わっているんですよね。
音楽プロデューサーとしては多少知られてはいますが、起業家としては無名です。徳間(康快)社長(徳間書店初代社長)と出会い、「君は起業家に向いている」とおだてられ、その気になって9社の設立に関わりました。今も8社ほど現存してます。徳間社長には「仕事師」と呼ばれ、実力以上に評価され、育てていただきました。
──新会社は、どのような会社を考えているのですか?
Web3.0の時代にエンタメ会社はどうあるべきかを念頭に置いて、世界で活動してるブロックチェーンの若きエンジニアたちと、「日本が世界に誇る、日本のサブカルチャー作品を世界に販売するNFT(非代替性トークン)マーケットプレイス」をクリエーターの立場に立って構築中です。今はMVP(最小限の製品)を作っていて、11月11日のベルウッドのコンサートに合わせてローンチ(公開)し、その後、米国でトークンを発行し事業を開始する予定です。
──Web3.0はインターネットのプラットフォームを牛耳るIT巨人を生まない分散型管理の思想のことですが、これをもとにした仕組みが今後のエンタメ会社のモデルになると?
そう願ってます。デジタル作品はブロックチェーンによって改ざんやコピーはできないと言われてますが、実際はそう簡単ではないのではと思ってます。例えば、サザビーズのようなプラットフォームでNFT作品を販売すれば、ブランドが信用の証しになるので、我々はそのようなプラットフォームを目指してます。余談ですが、ベルウッド・レコードを丸ごとNFT化して、後世に文化遺産として残すことも考えてます。