美容家の草分け 故・山野愛子さんの邸宅が和食チェーン「がんこ」の店舗になっているワケ
1963年、大阪・十三で個人経営の寿司店として創業し、現在、関西を中心に展開する和食チェーンの「がんこ」。日本で初めて寿司の時価を撤廃したことでも知られるが、一風変わった店舗があるという。
がんこにはビルに入居する店舗が多い中、庭園などがしつらえられた邸宅が店舗になっている「お屋敷」という業態がある。
関西に7カ所、東京に2カ所あり、どれも荘厳な邸宅ばかりだが、中でも出色なのが、東京・新宿にある「がんこ新宿 山野愛子邸」だ。入り口の看板には次のように書かれている。
《美容家の草分けとして名を残す、山野愛子氏。氏が半生を過ごした邸宅が「がんこ新宿 山野愛子邸」となりました》
なぜ、山野美容専門学校などを創設したことで知られる美容家の山野愛子さん(1909~95年)の邸宅が店舗になっているのか。
「当社では、関西の庄屋さんや地主さんの邸宅を店舗として運営してきた実績がありました。これが認められて、8年ほど前にこちらで借り受けて、守るところは守るべく極力内装をいじらずに改装を行いました。維持管理が大変な重要文化財を世に残すという意味合いもあります」(がんこフードサービスプロモーション戦略部)