落語家・林家木久扇さんが“いいバカ”の勧め 「バカほど人生、楽しくて楽です」
今の日本を築いた世代が一斉に余暇生活に入っている。我らの優れた頭脳は一時この国を世界2位の経済大国にまで押し上げた。だが、私たちは大きな転換点に立っている。今年90歳を迎えた作家の五木寛之氏は〈新老人〉という生き方を提案している。かつて若い世代を〈新人類〉と呼んだが、これからは〈新老人〉としての行動が試されるのだという。〈新〉というからには〈旧〉の老人たちから顰蹙を買うだろうが、社会の厚意にすがって余生を送るのではなく、現在もこれからも積極的に社会に働きかけるのだ。
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「『バカも休み休み言え』という言葉がありますが、お利口やマジメほど休み休みでないといけません」と断言する。落語家生活62年で、人気番組「笑点」のレギュラーを53年間守り続ける与太郎キャラ。「バカは愛されるんです」とバカの効用を説く。その心は?
「たとえば、コロナに感染して入院していた得意先と久しぶりに再会したら、『大変でしたね』と水を向けて話が始まります。相手がつらさを語ったら、『回復されてよかった』などと話をつなげばいいものを、さえぎって自分の話に変えようとする人がいます。こういうのは、困ったバカ。バカにも2種類あって、僕が勧めるのは、いいバカですよ」