円安で爆買い復活!外国人旅行者が日本で買っている意外なもの
10月11日から外国人旅行者の入国制限が緩和され、個人旅行も解禁された。さっそく有名観光地では“安い円”を追い風に海外からの爆買いツアーが復活している。全国旅行支援のクーポンでつつましく食事する日本人旅行者との差は異様だが、岸田首相は訪日外国人のインバウンド消費を5兆円超に増やしたい意向。外国人は日本で何を買っているのか?
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30年前、東南アジア観光に行った日本人は「安い、安い」を連呼していた。時代は変わり、今や香港やインドネシアから来た外国人旅行者が「日本は安い」と口にする立場に。円安を武器にナイキ、アディダス、iPhoneといった海外製品も日本で購入している。
観光庁によると、日本への入国希望者(9月21日時点)の上位5カ国は韓国、タイ、米国、マレーシア、豪州。世間では米ドルの独歩高といわれているが、どの国の通貨も日本円と比べればまだマシ。買い物を兼ねて日本に旅行でやって来る理由もそれだ。
実際、コロナ前の2019年10月と今年10月の為替レートを比較してみると、日本円は米ドルに対して約4割の下落。人民元と台湾ドルについても3割超、韓国ウォンも1割超安くなっている。
■好景気の台湾からの旅行客が増える
特に台湾は、コロナの3年間で経済が大きく飛躍。台湾財政部が発表した2021年の貿易額は、輸出が前年比29.4%増の4464億4785万米ドル(約66兆円)、輸入が33.2%増の3811億6672万米ドル(約56.4兆円)で、いずれも過去最高額。米アップルのiPhoneに搭載する半導体などが好調で、国別輸出では中国向けが22.9%、香港向けが28.7%、日本向けも24.8%の伸びとなった。日本との貿易に関しては輸出292億米ドルに対し、輸入が561億米ドルの輸入超過。日本側から見れば、たくさんのものを買ってくれるお得意さんで、好景気に乗って訪日客の増加にも期待が持てる。
その台湾は、今月13日に入境時の自宅隔離を撤廃したばかり。これから日本へ旅行にやって来る人が確実に増えてくる。台湾の人たちは元から親日家が多く、訪日する人の数も2019年実績で中国(959万人)、韓国(558万人)に次いで第3位(489万人)だった。台湾の人口が2340万人(2021年12月末)であることを考慮すれば、訪日率は20.9%と高く、日常的に日本へ来ていることが分かる。