子供の頃から得意だった声真似を生かし、新しい音声メディアを使って集客
稲葉優子さん(54歳)本業=保育士/副業=FMラジオ番組MC、音声メディアでの配信
「まるchan」こと稲葉優子さんは、声を使った仕事を副業にしている保育士だ。FM IS(伊豆)では番組MCを担当。影アナ、イベントの司会、芝居、子どもへの絵本の読み聞かせの活動もしている。
「子どもの頃からアニメが大好きで、声真似で遊んでいました。<グーグーガンモです>、ガッちゃんの<クピプー>、アムロの<2度もぶった。親父にもぶたれたことないのに!>などのセリフを言ってはアニメ好きの友達と盛り上がっていました。特に日高のり子さんや潘恵子さんが好きで、自分も声優になれたらいいなあと。高校生の時に高取英さんの戯曲『聖ミカエラ学園漂流記』に強い衝撃を受けて、21歳の時に地元・静岡の劇団『シアター万華鏡』に入団しました。そこから演技を学び始めました」
高校卒業後は会社勤めをしたが26歳で保育士の資格を取得。結婚・子育てを経て、現在は保育園で働く。園では子どもたちに「アンパンマン」や「鬼滅の刃」のキャラクターの声真似をすると大盛り上がりするそうだ。取材中は筆者世代の「グーグーガンモ」の真似をしてくれてテンションが上がった。
「保育士をして気づいたのは、声の技術を使った子どもへの読み聞かせにニーズがあることです。劇団で芝居をしながら、子どもたちへのお話し会活動も広がり、そこからイベントの司会や影アナウンスの仕事などが来るようになったんです」
最近、稲葉さんは音声メディア「Voicy」も上手に活用している。Voicyのユーザーは前年比2倍の約150万人。チャンネル数は1600を超えるなど伸び盛りのメディア。企業もオウンド(自社)メディアとして活用し、1カ月の収益が900万円を超える配信者もいる(2022年7月13日現在)。
稲葉さんはそのVoicyに「まるchan」としてチャンネルを持つ。「眠くなるけどタメになる読み聞かせ」(432コンテンツ、3382フォロワー、約37.6万回再生=22年9月20日現在)。宮沢賢治や江戸川乱歩の小説、グリム兄弟、アンデルセンなどの童話、落語や日本の昔ばなしなど多数のコンテンツがアップされている。もう一つが、「MAMA's(ママズ)」(496コンテンツ、2950フォロワー、約34.2万回再生=同)。保育士のキャリアを生かして、子育てに関する情報を配信中だ。こちらは、一部月額400円の有料配信。